夏のホラー2012

参加作品一覧

参加作品を提出された順に掲載しています。
参加作品数:95作品
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「オマエノジュウショトナマエヲハアクシタ」
ID:237101安藤いくま
 どこをどう辿ったのか、それはありがちな更新が滞り寂れたペットを扱ったホームページだった。だが偶然、麻里子はそこに隠された入り口を見つけてしまう。その実態は快楽殺人者の集う闇のサイトだった。自らの犯罪を自慢げに語る者たちに憤りを感じた麻里子はつい書き込んでしまう。
「さっさと捕まって死刑になればいい」
しばらく後、その書き込みにある常連からの返信が届く。
「おまえの住所と名前を把握した。これからおまえを殺しに行く」
 こうして不安と焦燥の夜が始まった・・・。

 本当の恐怖とはなにか?お化け?超常現象?いやいやそのようなものはむしろ滑稽でしか無い。真に恐怖すべきは理屈の通らぬ価値観の狂った人間の心の闇ではなかろうか。

 な~んてね。
面白い:6 怖い:6 小説情報
かせんかいだん
ID:232575霜焼 雪 

 『かせんかいだん』

 とある辺鄙な田舎町にある小さな中学校には、真っ赤に染められた鉄製の螺旋階段がある。

 段を昇る度に、靴底が無機質な音を鳴る打楽器。
 子供が嬉々として駆け上がりそうな、遊ぶことを目的としない遊具。
 非常階段として設置された、生徒の興味を惹きつける渦。

 その好奇心を標的とした蟻地獄、螺旋階段は現在使用禁止になっている。
 手入れや点検などを欠かしていない。
 手摺や段が外れる可能性は限りなく低い。
 事故が起きる確率など、宝くじで億単位の金額を引き当てる方が高い程に。

 しかし、螺旋階段は使用不可能であった。

 緊急時の非常口としても使われない、見かけ倒しの一品。
 一体何の為の設計なのかと疑いたくなる、目的不明の無用の長物。
 いつの間にか設置されていたもので、設置日施工日一切不明。

 気づけば何かの軌跡のように、そこにあった。

 いつ誰がこのような名をつけたのかは知らないが、蝸牛の殻のように回る設計から、蝸牛が跡を残して旋回する階段という念を込めて、蝸涎階段。

 “かせんかいだん”と呼ばれるようになった。

 そんな子供の注目の的となるべき“かせんかいだん”を昇りきった者は、未だにいない――――
面白い:6 怖い:7 小説情報
廃校の鬼教師
ID:12993おじぃ
 二十年以上前に廃校となった木造校舎には、かつて鬼教師として生徒から恐れられた、額にシワがあっても頭はピカピカだった男がいた。

 彼は亡くなった現在でも校舎を見回り、肝試しに来る若者を凄まじい剣幕で脅かすという。

 林間学校で廃校付近のキャンプ場を訪れたエロいと有名な中学二年生の少年、神威(かむい)は吊橋理論でカップルになろうと意中の少女、万希葉(まきば)を誘うが…。

 鬼教師は現れるのか? 二人の恋の行方は?

 おバカでちょっと恐くて、優しいホラーをお届けします!
面白い:6 怖い:6 小説情報
Bonus Track 444
ID:218201百賀ゆずは
「アーカムの新譜買った? もう『ボーナストラック』って出せたの?」
「まだぁ! 何かね、今回はどこのサイトにも情報来てないっぽいんだよねー」

 バンド・ARCAM【アーカム】について語るとき、『ボーナストラック』の存在は欠かすことが出来ない。
 CDを、ある決まった曲順で再生していった時のみ辿り着ける隠しトラック。
 公式には明言されていない不可思議な仕掛けが、若者の間でさらにカルトな人気を生み、昨今には珍しくCDソフトの売上を伸ばしていた。
 
 だが、最新アルバム「Paradigm Shift」の場合は違っていた。
 発売後三日が経ち、あらゆる組み合わせが試されても、それは見つからず――。
 代わりに飛び込んできたのは、女性ヴォーカル・天音の転落死のニュース。
 自殺か、事故か、まさかの殺人か。
 憶測渦巻く中、ついに新譜の『ボーナストラック』は発見される。
 
 しかしそれは、<空>だった。まったくの無音がただ続いているだけの。
 時間は、4分44秒。
 
 果たしてそれは、噂通り『死の暗号』なのか?
 女子高生カナに忍び寄る恐怖の現象――。
 
 『Bonus Track 444』
 あなたはそこになにをきくのか。
面白い:9 怖い:7 小説情報
きみにさいごの花びらを
ID:78875梶野カメムシ

私が紹介するのは、とあるアップローダで発見した
SS(ショートストーリー)です。
ある平凡な男が、奇妙な境遇に生まれた幼馴染と結婚した、
その顛末が淡々と描かれています。

この物語が真実か創作なのか、私にはわかりません。
悲劇なのか喜劇なのか、
そもそもホラー企画に相応しいものなのか、それもわかりません。

けれど、このSSを初めて読んだ時、
眩暈のような、名状しがたい恐怖を、私は感じたのです。

皆さんはどう感じられるでしょうか。ご一読をお願いします。
面白い:6 怖い:6 小説情報
怪異小話集
ID:200708まぁまぁ
日常でふと夜に立ち寄った寺で、夏の風物詩として友人と出かけた肝試しで、あるいは寝物語として。

人は怪異にふれる。

その時代を生きる人が怪異を語りつづけ、ある怪異話は何百年もの時を経て伝わり、そして消え、また怪異が生まれる。俺も怪異を語った何百、何千の名も無き人たちの後に続こうと思う。

たとえその怪異が勘違いでも人はやはり怪異が好きなのだ。

身近な怪異と共にある日々をここに綴ろうと思う。
そういうものにとんと縁がない人もいるだろうが、何故か俺はそういうものに縁がある人間らしいから。

(ほんの、ちょっぴり怖い実話の怪異短編集。)
面白い:7 怖い:6 小説情報
教育実習
ID:83885つちふる
 全校生徒一六四名。
 一学年一クラスの小さな小学校での教育実習。

「先生、何歳?」
「あだ名は?」
「ジン先生って呼んでいいですか?」
「恋人はいますか?」
「私なんてどうですか?」
「上野先生なんてどうですか?」
 四年二組の生徒は明るく人なつこくて、僕はとまどいながらも楽しい実習生活を予感した。
「実習生といっても教師は教師。少なくとも生徒たちはそう思っている。君もそのつもりでいるようにな」
 担任の上野先生は少し怖そうだけど…。
 
 騒がしくも楽しい日々。
 違和感を覚えたのは実習が始まって四日目のことだった。
 生徒は積極的で、問題が出れば全員が手を挙げる。上野先生もなるべく公平に当てていくのだけど――
 ただ一人、絶対に当てない生徒がいた。
 僕がそのことを聞くと、彼女は少し悲しそうに答えた。
「ユキは、いわゆる知的障害者でね。授業は全く理解していない。ああしてニコニコ手をあげているのは皆にあわせているだけなんだ。……だから――」
 
 あの子が授業で手をあげていても、絶対に当ててはいけないよ。

 その日から僕は、ニコニコと笑って手をあげる彼女を気にするようになった。
面白い:13 怖い:7 小説情報
手のひらを太陽に
ID:205213榎本あきな
不思議な感覚がする。
まるで…宇宙に漂っているような…。
私は、きちんと自分のベッドに入って寝たはずだ。
今日は暑かったから、クーラーをつけたのをちゃんと覚えている。
あたりは真っ暗で、私が目をつぶっているんじゃないかと疑いそうだ。

すると、いつの間にかいた長い黒髪の女性。
肌は死人のように白く、水色のワンピースを着ている女性。
顔は長い黒髪に隠れていてみえない。
よかった…。人がいた。そう思って女性に駆け寄ろうとした…が、女性が行おうとしている光景に何故か足が竦んだ。
ただ、いつの間にか手に持っていたろうそくを消そうとしているだけなのに。

声が出なく、足が震える。私の顔は今、蒼白のような気がする。

女性がろうそくの真上で手を横にふると、ろうそくの灯火が消えた。
それと同時に私の意識が遠くなって行く。
最後に見たのは、女性がこちらを向き、黒髪の間から赤い口を裂けるんじゃないかというくらい歪ませた…微笑だった。
面白い:11 怖い:11 小説情報
古い一枚の写真
ID:222995土方隼人
子供の頃、あなたは不思議なものを見た経験はないだろうか。大人に言っても信じてもらえず、いつの間にか記憶の奥底に仕舞い込んでしまったものが。ある時、急に思い出し真実を確かめてみたくなったことは。いや、それは決してお勧めはできない。何故なら、知らない方がよかった事実が隠されているかもしれないからだ。これは、まだ少年だったある夏の日に体験した不思議な出来事が忘れられず、わずかな手掛かりだけを元に真実を探し出してしまった男の話です。
面白い:15 怖い:9 小説情報
この小説は削除された可能性があります
ID:212135映月久羽
小説投稿サイト『Let's become novelist』。
そこには見たら死ぬと言われる呪いの小説がある。
と、いってもその小説の内容がホラーであるとか、意味不明な文字が羅列されただけの文章というわけではない。それは至って普通のどこにでもある小説だ。
しかしおかしい点が一つ。
その小説を一度見ると、その内容に関する記憶を消され、どんな内容だったかを忘れてしまうのだ。またパソコンの履歴もなにからなにまで消され、完璧にその存在は消失する。
噂では三日以内にその小説の内容を思い出さなければ死ぬと言われている。
たまたまその『呪いの小説』を見てしまった主人公。
彼は決死の覚悟で自身に掛けられた呪いを解くため、サイトを飛び回ることになるが……
面白い:11 怖い:11 小説情報
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