ごめんねと 言いたい事を 言いたくて |
ID:160240鶏の照焼 |
進藤隆史は悔やんでいた。中学、高校に渡って付き合い続けてきた恋人の深山夏美と、二週間前にほんの些細なことから喧嘩をしてしまい、以来それっきりになっていたのだ。携帯電話に連絡しても繋がらないし、彼女の自宅に行っても影さえ見えない。それどころか、一人暮らしをしている訳でもないのに、その家には彼女の両親の姿さえ見えなかったのだ。このままでは彼女に謝れない。そうして八方手塞がりで途方に暮れていた隆史の元に、ある日一通の手紙が届く。そこには手描きの地図と、そこの中央に目立つようにつけられた黒点、「ここで待ってます」とだけ書かれた文章があった。差出人は夏美だった。あの時喧嘩した事をちゃんと謝るために――蜘蛛なんて気持ち悪いよなと言ってしまった事を謝るために――隆史はその地図に記されたとある村に向かう事を決意するのだった・・・。 |
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てるてる坊主 |
ID:37031澁谷一希 |
「知ってる? てるてる坊主っていう怪談。 え? 知らないの? じゃぁ、教えてあげるよ。 怖くないように話してって? うぅん……。頑張ってみるけど~~、怖かったらゴメンね。 えぇっとね……。 そうそう、1週間くらいまえにさぁ、この辺で見つかった女の子の変死体のこと知ってる? そう、毎日ニュースに流れてるあれだよ。警察は殺人事件って睨んでるあれ。 この辺って寂れてるじゃん。女の子のクラスメイト12人だったんだって。 でね、女の子が祟りにあった日って遠足だったらしいの。だから12体のてるてる坊主作ったんだって。 "雨が降ったらその首ちょんぎるぞ" って唱えたんだって。 その翌日、雨だったの。そしたら12体のてるてる坊主と共に女の子の首ちょんぎちょんぎれちゃってたんだって。 怖かった? じゃぁ、本当の怖い話してあげるよ。 実はこの話には不可思議なことがたくさんあるんだ」 |
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おばあちゃんとわたし |
ID:195701辺 鋭一 |
わたし、くしさきかなみ。6才。 小学2年生の女の子です。 わたしは今、おばあちゃんと一緒に住んでいます。 でも、わたしのおばあちゃんは、普通じゃないんです。 だって、おばあちゃんは『ゆうれい』さんなんですから!! これは、人間と幽霊の、普通じゃない生活の中の日常を綴った物語。 この物語は99%のほのぼのと、1%のホラーでできています。 グロい表現や残酷な表現は一切出てきません。 怖い話が苦手な方は、ぜひ見てみてください。 きっと、安心してご覧いただけると思います。 |
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死はメールと共に |
ID:42948桜花蓮華 |
とある高校生の男女達。彼らは小学生の頃からいつも一緒だった。 高校最後の夏。もうすぐ取り壊される母校の旧校舎に集まった彼ら。学校の七不思議を携帯写真で撮ってみようとほんの出来心、肝試しのつもりで一人ずつ入っていく。 突然メールが届く。仲間の一人の惨殺体の写真、そして『お前達を絶対に許さない』というメッセージと共に。 彼らの脳裏に、この校舎から飛び降りた一人の少女が浮かぶ。本当に霊など、呪いなど存在するのか。パニックになる一同。 そしてまた、メールが届く―― |
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崇り |
ID:93787I,K |
いじめ。 それはどんな社会集団でも起こり得る、人間の負の感情の顕れ。 誰かをいじめている人間は何も知らないし、知ろうともしないものだ。いじめられている人間がそういった心ない行為によってどれほどまでに傷付けられているのかを。 だから、いじめはいつまで経っても無くならないのではないのだろうか。 たとえ、それが死を生み出そううとも。 たとえ、それが更なる悲劇を生み出そうとも。 祟り。 それは、ある行為の報いとして起こる災いのこと。 それは、きっと何も知ろうとしなかった自分達に対する報復だろう、と。 そう――それに気付くのに、何もかもが遅すぎたのだ。 |
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